大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和31(オ)1028 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人名尾良孝、同柴田勝の上告理由について。

原判決の引用する第一審判決理由中第一の一の趣旨は「(一)乙土地については

訴外Dが賃借権を持つていたのを、昭和一八年中被告(上告人)Aが原告(被上告

人)承諾の下に譲受け、それ以来被告Aが賃借人であることは当事者間に争がない。

(二)甲地については、被告Aが昭和二〇年以来賃借人であることは当事者間に争

がないが、それ以前賃借人であつたか否か、また賃借権取得原因如何については争

がある。(三)Eの証言によると、元来乙地が先ず訴外Dに賃貸され同訴外人はこ

の上に工場と倉庫を建築したところ、倉庫が甲地を侵していたことが発見されたの

で、原告は乙地賃貸の数ケ月後更に甲地をも同訴外人に賃貸したが、甲地につき別

個の契約を結ばず乙地の賃貸借契約の目的物に甲地をも加えたに過ぎないこと並に

被告Aはその後前記の如く昭和一八年中訴外Dから乙地の賃借権を譲受けるに当り

甲地(一審判決に乙地とあるのは誤記と認める)の賃借権をも含めて譲受けたもの

であることが認められる。以上の如くであるから、被告Aは甲地についても昭和一

八年から(昭和二〇年以後については前記のとおり当事者間に争ないが)賃借人で

あり、且つその賃借権は訴外Dから適法に譲受けたものであることは明かである。」

というにあること判文上明白である。

してみれば、原判決が、賃貸借契約の信頼関係を基調とするものであることに鑑

み、乙土地につき解除原因あることを理由として甲乙両土地を目的とする本件賃貸

借全部の解除を有効と判断したことには何等所論のような法律解釈の誤若くは理由

のくいちがいはなく、論旨は理由がない。

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よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 垂 水 克 己

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

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